住まい
地方に移住するとどんなメリットがある?
シングルマザーになって、地方への移住を考えている人は増えてきています。心機一転、海外への移住も良いかもしれませんが、お金の問題、言葉の問題、なかなか簡単にはいきません。
一方で、国内の移住のハードルは低くなってきています。というのも、過疎化問題や少子化問題解決策の一環として、移住を歓迎している自治体が数多くあるからです。
地方に住むことは、経済的にも、子育て環境的にもメリットになることがあります。では、地方への移住はどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
1.地方への移住のメリット
自然の中でのびのび子育てができる
積極的に移住を推進している地域は、自然がある場所が多いです。自然豊かな環境であれば、のびのびと子育てができます。都心と比べ、近隣のつながりもあるので、地域全体で子どもを育てる意識が強くなります。
また、都心よりも地方の方が待機児童が少なく、より子育てに適した環境と言えるでしょう。
物価が安い
東京、または東京近辺の家賃は他県と比べると圧倒的に高いです。地方に住むと、東京と同じ広さの部屋が、半額以下で借りられることも珍しくありません。毎月の固定費である家賃が減らせることは、生活にゆとりが出てくるので、大きなメリットと言えるでしょう。
また、スーパーに行くと、食料品の値段が違うことに気づきます。地方では、野菜の産地であることが多く、品物も新鮮です。安く美味しいものを食べられることも、移住の魅力です。
子供への支援が充実している
地方では、移住を歓迎しているところが多く、子供への支援制度が整っています。手当や助成金だけでなく、相談窓口、サポートセミナーを行っているので、知らない土地でも安心して生活ができます。
2.移住先を選ぶポイント
移住となると、実際に長く住むことになるので、漠然と決めてしまうのは危険です。では、移住先を選ぶポイントとはどのような点でしょうか。
移住を積極的に支援している地域を選ぶ
まずは、移住を歓迎している地域、自治体を選ぶと良いでしょう。どんなに良い環境でも、知らない土地で暮らすのですから、サポートがないと不安ですよね。移住できたとしても、仕事があるかどうかもわかりません。
移住プロジェクトを行っている地域では、住居、仕事、暮らしについてのサポートが整っています。また、同じ境遇の人がいる可能性は高く、気持ちを共有できる環境があるのも大きなポイントです。
自分が住みたい場所を選ぶ
移住となると、旅行と違い、少なくともしばらくはその土地に住み続ける必要があります。風土に馴染むためには、自分の住みたい場所を選ぶのも大事なポイントです。
シングルマザーであれば、子供を優先することが多いでしょう。もちろん子育てしやすい環境であることは大事ですが、母である本人がその土地に馴染めないと、子供は心配してしまいます。
移住を歓迎している地域は多くあります。その中で、自分に合った場所を見つけましょう。
土地の気候、風土を理解しておく
一口に地方といっても、地域差はかなり大きいです。暑い土地、寒い土地。人懐っこい気質の地域、人見知りな気質の地域。同じ日本でも、北と南とでは文化の違いも多くあります。
移住したい場所が決まったら、その土地の文化や風土を調べておくことも大事です。
知り合いがいるところを選ぶ
近くに知り合いがいると、心強いですよね。「移住した友人に勧められて同じ地域に移り住んだ」という人もいます。
知らない土地に行くのは不安が多いと思います。友人が一人でも居れば大変心強いですね。
また、同じ場所ではなくても、友人、知り合いで移住した人がいれば、実際の暮らしについて話を聞いてみるのもおすすめです。
3.おすすめの移住先
では実際、どんな地域が人気があるのでしょうか。
長野・山梨
シングルマザーに限らず、長野や山梨は移住先の人気のスポットです。
都心から近い
「移住したいけど、知り合いや実家が東京にあるから帰りやすいところが良い」という理由で長野や山梨を選ぶ人は多いようです。
山梨は、東京から電車を使って2時間程度で着きます。交通費も片道2、3千円台と、東京からも行き来しやすい場所です。自然の中で暮らし、必要な時は都心に行ける環境はとても魅力的ですね。
自然が多い
長野や山梨は、高原が多く、雄大な自然が広がっています。虫や、動物など、自然に触れ合える機会が多いので、子育てにも向いていると言えます。
夏は比較的涼しく、冬はスキー場も多いので、冬はウインタースポーツが楽しめるのも特徴です。
待機児童ゼロ
2018年度の調査では、長野と山梨の待機児童の数はゼロです。移住して子どもが預けられないのは困りますよね。その点に関しても、子育てしやすい環境が揃っています。
移住者が多い
長野と山梨は、移住先人気ランキングで1位、2位になっていますが、それだけ移住者が多いということです。
同じ境遇の人が多いことは、悩みや不安を共有できることも多く、また地元の人も移住者に慣れていることから、その土地に馴染みやすいというメリットがあります。
光熱費が高いのに注意
物価は都心に比べると安いのですが、注意しておきたいのが、光熱費です。特に冬は、思った以上に光熱費がかかります。冬は灯油を使っている家庭が多いので、その環境に適応する必要があります。
灯油をためておけるタンクが付いている家もあり、家探しの時は、その点も注意して見ておくと良いですね。
九州
九州も移住先には人気のある地域です。都心から離れますが、自然も豊かで、新鮮な魚介類や採れたてのお野菜が食べられることも大きな魅力です。
福岡は落ち着いた都会
関東から移住したいけど、あまり田舎じゃない方が良いという人には、福岡は適した街でしょう。都会ではありますが、東京ほど人がいるわけでもありませんし、中心地から離れると比較的落ち着いた住宅街が続きます。
中心地には会社や商業施設があるので、仕事もあり、買い物も楽しめ、また少し郊外に行くと自然に触れ合えるので、両方楽しめる環境があります。
九州では移住プロジェクトを行っている
九州は移住プロジェクトを行っている地域は多いです。特に力を入れているのは、大分県です。また、大分県は、「子育て満足度日本一」を公言しており、子育ての支援に力を入れています。
冬は過ごしやすい
長野や山梨と違って、冬は寒くなりすぎることはなく、比較的年中過ごしやすい環境です。日本海側と太平洋側で気候は少し違うので、海を楽しみたい場合は、宮崎や鹿児島辺りに、少し暑いのが苦手な人は、長崎や福岡辺りが良さそうです。
九州に住むには風土に合うかどうか
九州に移住するにあたって気になる点としては、土地の風土に合うかどうかです。コミュニケーションをとるときは腹を割って話すという文化があるため、関東の人であれば戸惑うこともあるかもしれません。
反対に、フレンドリーな気質はあるので、孤立するような心配は少ないかもしれませんね。
沖縄・北海道
憧れの移住先でもある沖縄や北海道。大自然の中で、子育てしたいと思う人も多いのではないでしょうか。
美しい自然が魅力
沖縄も北海道もどちらも美しい自然が魅力です。雄大な自然の中で子育てをするのも良いですよね。沖縄は、綺麗な海、陽気な風土に憧れる人も少なくありません。北海道は、雄大な自然、のびのびした環境があります。
人が大らか
沖縄の人がおおらかで陽気なのは知っている人も多いと思いますが、北海道もおおらかで人懐っこい性格があります。気候は正反対ですが、雄大な自然で生活すると、おおらかな性格になるのかもしれませんね。
気候に注意
暑いのが苦手、寒さが苦手、どちらの地域も両極端な気候なので、その点は注意が必要です。理想と現実は違う場合が多々あります。生活環境は、しっかり下調べしておく必要がありますね。
4.まとめ
経済的にも、子育て的にも、地方への移住は多くのメリットがあります。ですが、住み慣れていない土地に行くことは、不安も多いことでしょう。
中には、数ヶ月、数週間の間、移住を試せるサービスもあり、まずは少しだけ住んでみるのも良いかもしれません。いろいろなサービスがあるので、一度話を聞きに行ってみましょう。
参照
- 「保育園等の待機児童数の状況について」(厚生労働省)
- 「消費者物価地域差指数の概況」(総務省統計局)
- NPO「ふるさと回帰支援センター」移住先ランキング