お金のこと
シングルマザーが受けられる減免と割引手当
1.寡婦控除
- 国の制度
寡婦控除というのは、納税者自身が一般の寡婦であるときに一定の金額の所得控除を受けられるというものです。
一般の寡婦と言われても「何それ?」という人がほとんどかと思います。
一般の寡婦とは
夫と死別している人、離婚した後に再婚していない人、夫の生死が不明となっている人の中でも扶養親族や生計を共にしている子どもがおり、その子どもの総所得金額などが38万円以下である場合が挙げられます。この場合には、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。
また、夫と死別した後に再婚をしていない人や夫の生死が不明となっている人で合計所得金額が500万円以下の場合も一般の寡婦ということになります。
さらに、一般の寡婦に当てはまる人で「夫と死別しているもしくは離婚後に再婚をしていない、夫の生死が不明」「扶養親族である子がいる」「合計所得金額が500万円以下である」という3つの要件を満たすと、特別の寡婦に該当することになります。
※「夫」とは、民法上の婚姻関係をいいます。
ちなみに、一般の寡婦と特別の寡婦では控除額に違いが出てきます。一般の寡婦は控除額が27万円になるのに対して、特別の寡婦は控除額が35万円になります。
2.保育料の免除や減額
- 国の制度
- 市区町村の制度
- すべての家庭対象
シングルマザーにとっては、保育料の免除や減額は嬉しい支援です。シングルマザーで所得が少ないということであれば、保育料が無料になったり減額されたりする可能性が高いです。
ただ、基本的には4月1日時点での子どもの年齢と保護者の前年の所得、住民税の金額によって変わってきます。
国で定められているのは、シングルマザーを含めたひとり親世帯では、年収約360万円未満で1人目半額、2人目以降無料となっています。
しかし、自治体によっては、第一子から全額無料だったり、一部減額だったりと、詳細な金額が違ってきます。自分の住んでいる地区の保育料の免除や減額について調べておきましょう。
3.国民健康保険の免除
- 国の制度
- 市区町村の制度
- すべての家庭対象
国民健康保険の免除はシングルマザーに限ったことではなく、基本的にはすべての人を対象にしています。
前の年よりも所得が大幅に減ってしまった、怪我や病気などで生活が困難になった、災害などで生活が困難になったといった場合には、国民健康保険の免除が申請できます。
ただ、具体的な免除金額はそれぞれの市区町村によって異なってきますので、実際に住んでいる市区町村に問い合わせてみましょう。
4.国民年金の免除
- 国の制度
- すべての家庭対象
所得がないときや所得が少なくて国民年金を納めるのが難しいということもあるかと思います。そういう場合には、国民年金の免除申請を行うことができます。
免除される所得の計算方法
前年度の所得が、以下で計算した金額の範囲内である場合に適用されます。
全額免除
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
4分の3免除
78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除
118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除
158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
納付猶予制度
(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円
国民年金の免除は、かなり所得が低い場合に限られます。
5.電車やバスの割引制度
- 市区町村の制度
児童育成手当を受給している場合や生活保護を受けている場合には、電車やバスが割引となる可能性があります。例えば、JRでは児童育成手当や生活保護を受けているひとり親家庭であれば、通勤用の定期券を3割引で購入できるようになっています。
こういった電車やバスの割引制度というのは、市区町村や運営会社によっても違ってきます。まずは問い合わせをしてみましょう。
6.粗大ごみの手数料を減免
- 市区町村の制度
粗大ごみの手数料というのは、かなりの出費になります。この出費が痛いからと捨てたいものを捨てられないままになっている人も多いのではないでしょうか?解体して一般ごみとして出そうにも、女性ひとりではどうにもならないということもあるかと思います。
これは市区町村によるのですが、シングルマザーを含むひとり親家庭に対して粗大ごみの手数料を減免する制度を設けている自治体があります。ただ、この粗大ごみの手数料に関しては市区町村によってかなり温度差があります。お住まいの市区町村で粗大ごみの手数料を減免しているのかどうかを確認してみましょう。
粗大ごみ免除がある自治体例
- 東京都:世田谷区、江東区、練馬区
- 神奈川県:横浜市
7.水道料金の割引
- 市区町村の制度
水道というのは、現代人の生活には欠かすことのできないものです。ただ、確実に使うものですし、毎月の出費になるのがわかっているからこそ、厳しいというシングルマザーも多いかと思います。
これも市区町村によるのですが、シングルマザーを対象とした上下水道料金の割引をおこなっているところがあります。お住まいの市区町村のホームページで確認しましょう。また、水道局でも水道代免除についての手続きや料金が掲載しているところもあるので、確認してみましょう。
水道代免除がある自治体例
- 北海道:旭川市
- 東京都:23区 多摩地区
- 神奈川県
8.まとめ
減免や割引手当は、市区町村の制度に依存することが大きいです。それぞれの自治体で様々な制度を取り入れていますが、新しい免除や手当制度を取り入れるのは、やはり東京が早い印象です。東京近辺にお住いの人は、自治体の制度をしっかり調べておきたいですね。