住まい
シングルマザーで海外に移住
1.海外の移住について
最近では、海外移住というものがとても身近なものになっていますね。シングルマザーになって心機一転、新しい土地で一からはじめたいと思う人も少なくないのではないでしょうか。
そういった中で、シングルマザーにとっても海外移住というのはひとつの選択肢になっています。ただ、短期留学のような感覚で海外移住を考えていると大失敗してしまうかもしれません。
海外移住を考えているのであれば、やはりしっかりと情報収集をして、理解を深めておかなければなりません。
ビザ
ビザというのは、簡単に言ってしまえば入国許可書です。その人がきちんとした理由と資格をもって滞在していることを証明するためのものです。
ビザと一口に言ってもさまざまな種類があって、観光や就労、留学などその目的に応じて必要なビザを取得することになります。パスポートと混同されがちなのですが、パスポートはそれぞれの国の政府が発行するのに対して、ビザは渡航先の国が発行するものです。
そのため、ビザを取得するのであればまずは日本にある渡航先の国の大使館で申請をしなければいけません。もちろん、国よって違ってくる部分があるのですが、基本的には日本国内にある渡航先の国の大使館へ申請して、承認書を発行してもらいます。
その後、実際に現地へ行って最終的な手続きをおこなうという感じになります。どちらにせよ、行き先が決まっているのであればその国の駐日外国公館で確認をするところから始めましょう。
お金について
いくら物価の安い国に移住するとなっても、移住するためにはいろいろな費用が必要になってくるものです。
先でお話ししたビザにもお金はかかってきます。ビザであれば提出書類の翻訳料として一書類につき15,000円は確実にかかると思っておいたほうがいいでしょうし、面倒だからとビザの手続きを業者に依頼するとなればそれこそ数万円から十数万円のお金が必要になることもあります。ビザだけでも結構なお金が飛んでいくと考えていいでしょう。
ビザだけではなく、渡航費用も当然必要になってきます。移住するのであれば下調べも必要になってくるでしょうし、現地での準備もあります。そういったことを考えると、最低でも1回は日本と往復することになりますし、往復する回数が多ければ多いほどお金もかかります。
もちろん、どこの国に移住するのか、そのためにどの航空会社を利用するのかによっても金額は違ってきます。渡航費用だけではなく、荷物を送るお金も必要になってきます。これもどこの国に移住するのか、どれくらいの荷物を送るのかによって違ってくるのですが、国をまたいで荷物を送るとなるとかなりのお金がかかります。
基本的に現地で調達できるものは現地で調達して、どうしても日本から送らなければいけないもののみ送るという形にしたほうがいいかもしれません。
それから、住まいにもお金がかかります。持ち家か賃貸かによっても違ってくるのですが、国によっては住まいにかなりのお金がかかることもあります。いきなり持ち家よりはやはり賃貸で様子を見たほうがいいかもしれません。
あとは、保険に関するお金です。海外移住ということであれば、言うまでもなく国民健康保険は使えなくなります。基本的には移住先の健康保険に入ることになるのですが、それがすぐにはできないこともあります。そのため、その間に使える保険に加入する必要があるのです。
語学力
有名人の海外ロケなどを見ていると言葉が通じなくともどうにかなっているケースが多く、「言葉は暮らしながら覚えればいい」と思っている人も多いかもしれません。
確かに、言葉が通じなくとも身振り手振りなどでどうにかなるケースもあります。しかしながら、怪我や病気のときを考えると、暮らしながら覚えるというのはあまり賢い選択ではないかもしれません。
それこそお子さんが一分一秒を争うような状況になった場合にはどうでしょうか?そう考えると、やはり語学力というのはきちんと身につけてから移住すべきでしょう。
英語さえ話せればOKという人もいるかもしれませんが、英語だけではなく現地の言葉は必須です。シングルマザーで海外移住に慣れているという人はそうそういないでしょうし、慣れない土地での万が一のことを考えるといざというときでもきちんとコミュニケーションが取れるレベルまで到達してから移住したほうがいいでしょうね。
2.シングルマザーでも住みやすい国は?
海外といっても、実にさまざまな国があります。言うまでもありませんが、海外移住であればどこでもいいというわけではありません。やはりシングルマザーの人が海外移住をするのであれば、シングルマザーでも住みやすい国を選ばなければいけませんよね。
ここでは、シングルマザーでも住みやすい国について具体的に挙げていきたいと思います。
フィリピン
フィリピンというと首都のマニラが注目されがちなのですが、リゾート地としてよく知られているセブ島も人気があります。
特に、シングルマザーでフィリピンのセブ島に移住する人は思っている以上に多いようですね。なぜフィリピンがいいのかというと、シングルマザーを含めて女性が活躍しやすい国だからです。
フィリピンでは管理職に占める女性の割合が世界でもトップクラスだと言われています。日本の何倍も高いので、フィリピンは女性が活躍できる国と言えるでしょう。
日本では女性であることはもちろん、シングルマザーであることが不利になってしまうものですが、フィリピンではそれがないのです。実際にフィリピンで働いている女性からは「育児と仕事の両立がしやすい」といった声も上がっているようです。
日本と違うところとしては、シッターの存在です。フィリピンの女性は子どもをたくさん産んで、バリバリ働くといったことを難なく実現させています。
これにはシッターの存在が大きく関係してくるのです。日本ではシッターというとそれこそお金持ちしか利用できないサービスというイメージがあるかと思います。
しかしながら、フィリピンでは誰もが当たり前にシッターを雇うことができるのです。それも日本よりもかなりお安い金額で、です。
要は、シッターに任せることができるからこそ、女性が活躍できるという部分もあるわけですね。今の日本ではシッターを雇うとなると「お金持ちだから」という僻みを受けることもありますし、極端な人だと「母親であることを放棄している!」と主張してくるかもしれません。
フィリピンでは「女性だから」「母親だから」という押しつけがあまりないので、女性が自分に合った働き方や生き方を実現させることができるのです。
学校の行事に親御さんではなく、シッターが代わりに出席するということもよくあるそうです。今の日本に窮屈さを感じている人であればあるほど、のびのびと生活できるかもしれませんね。
オーストラリア
オーストラリアはまず気候の面で過ごしやすいのが魅力です。1年を通して暖かいので、最近の日本の異常気象にうんざりしている人でも安心です。
もちろん、オーストラリアも広いので場所によっては日本以上に冷えるかもしれません。その点は注意しておきましょう。意外に思われるかもしれませんが、オーストラリアというのはシングルマザー率がとても高い国でもあります。
シングルマザーに出会わないことのほうが難しいと言う人もいるくらいなので、そういった点でも安心できるでしょう。やはり仲間が多いほうがいいですからね。
オーストラリアという国全体でシングルマザー率が高いので、政府もシングルマザーの支援にかなりの力を入れています。日本の支援がそれこそ申し訳程度に思えるくらいにしっかりとしたバックアップがありますので、その点も安心です。シングルマザー同士での交流も期待できるでしょう。
ただ、永住権が取りにくいのがネックです。
フランス
女性であれば憧れのフランスという感じだと思いますが、意外にシングルマザーが活躍しやすい国です。
実際に、女性がのびのびと活躍しているイメージがありますよね。シングルマザーとしてありがたいのは、やはり教育や医療・福祉の面が充実しているという部分です。
学校休暇も多いので、お子さんとの時間もしっかりと取れるのではないでしょうか?オーストラリアが年間を通して暖かいのに対して、フランスは年間を通して寒いです。ちなみに、フランスの水道水は硬水なので硬水が合わないという人は大変かもしれません。
3.まとめ
シングルマザーで「今の日本でどう生きていくか」を考える人は多いでしょう。
ただ、一生日本で生きていかなければいけないという決まりはありません。日本で生きにくさを感じている人であれば、海外移住というのもひとつの選択肢として考えておくといいかもしれません。
ただ、海外移住は気軽にできるものではありませんので、じっくりと考えしっかりと準備をした上で実行に移していきましょう。意外に、海外のほうが肌に合っているということもあるかもしれませんね。